市民オンブズ岡崎

No.55 2007. 9. 2 8
TEL&FAX(0564)25−9667
ホームページアドレス http://www6.ocn.ne.jp/~onbokaza/
E-mail m039asihara@yahoo.co.jp

 
男川ダム建設中止決定
 
 愛知県が鳥川に建設計画を進めていた男川ダムを中止することが確定しました。昨年8月凍結した男川ダム計画をやっと放棄したことが新聞報道で明らかにされました。
 もともと男川ダムは水余りの中、旧額田町への給水を計画しており、人口が減っているのに、人口が増加すると予想した無茶な計画でした。利水計画が破綻していること、治水面ではダムの洪水抑止力は微々たるもので、河川改修や調整池の造成で足りることを「市民オンブズ岡崎」は指摘してきました。
 そうした中で、岡崎市と旧額田町の合併により、岡崎市から旧額田町への配水で利水要望そのものの根拠を失い、利水計画からの撤退がありました。ここで、計画を中止すればいいものを、治水だけの男川ダム計画に変更し、新聞報道によれば、これまで地盤や環境調査などに国の補助金を含め17億円が投入されたといいます。
 私たちが中止を求めたときからどれだけの無駄な金が使われたか、それから、この計画を推進するよう求めた岡崎市議会の面々も反省してもらいたいものです。
 
 
 
 
 
解決しない疑問ー大型ごみ処理施設建設計画
 
 新一般廃棄物中間処理施設建設にあたって、建設費が安いか高いかだけでなく、その技術的評価を加味して施工業者を決めるという総合評価方式を岡崎市は選びました。その技術評価を委嘱した技術検討委員会メンバー5名に委ねました。
 ところが、その委員長から、シャフト炉方式のガス化溶融炉建設ができる業者はJFE環境ソリューションズ(A社)と新日鉄エンジニアリング(B社)の2社しかないのに、市が要求した処分方法を提案してこなかったとしてA社を失格したのは、技術委員会が建設検討委員会(市職員のみで構成)に委任した項目の評価を逸脱した判断で、納得できないと抗議されていたことが新聞で明らかになり、急遽岡崎市が記者会見するという騒動になりました。
 
 「市民オンブズ岡崎」では6月3日にテレビニュースで知ってから、真相を知るべく、伊藤建設技術検討委員長に連絡を取り、新一般廃棄物処理施設(ガス化溶融炉)の建設計画の問題点を話してもらいたいと要請しました。そして6月24日「どうなっているの?ガス化溶融炉」 という集会を南部市民交流センター「なごみん」で持ちました。
 6月24日集会報告
 技術検討委員会が招集されたのは、既に廃棄物中間処理施設としてシャフト炉方式のガス化溶融炉を選択したあとでした。この施設を建設できるのは前記A社、B社しかありません。委員会では、技術評価点をどのように配点するのか、技術点と価格評価点をどのように配点するを確認しました。
 岡崎市は4月23日までに上記2社から見積書など正本・副本合わせて16部の書類を提出させ、さらにそのすべてが入ったCD−Rを提出させました。4月28日に技術的な提案内容の概要と、それぞれについての評価コメントと当局が技術委員会にヒヤリングで聞いてもらいたいことをまとめたメールが技術委員会メンバーに届けられました。伊藤さんは、4月23日に提出された書類を見た上で、4月28日までにまとめるには時間的にとても無理な日程なので、CD−Rを見ていた可能性があると指摘されました。
 また、評価コメントは5月2日の技術検討委員会でB社が良いという先入観を持たせる恣意的なコメントなので、白紙撤回が確認された。さらに、5月2日に業者からのヒヤリングを行った時点で、ライフサイクルコストに関する評価についてはA社・B社とも「数字の信頼性に不明な点があるので、建設検討委員会にこの部分について精査する」としたにすぎず、建設検討委員会で失格とすることが適当と判断するならば、技術検討委員会に差し戻すのが適当でなかっただろうかと言われていました。
 ヒヤリング終了後、当局がA社に対して飛灰の薬剤処理する場合の書類を追加提出するよう求めたとA社の苦情申立書でも書かれており、A社B社の見積額を見た上で、総合点を付けみて、B社が不利と判断したあとから技術評価として失格の理由を付けたと考えられます。市職員同席で無かったため、意見の相違を検証することもできず、疑問を残したまま集会を終えました。
 
7月27日出前講座報告
 次に、岡崎市職員出前講座の制度があるので、これを利用し「新一般廃棄物中間処理施設(ガス化溶融炉)について」の学習会を7月27日に竜美丘会館で開きました。
 ごみ対策課長加地さんと桑山さんが来られて説明されました。
 まず、ごみ処理施設の稼働状況と、事業の概要の説明をされ、八帖クリーンセンターにある1号炉(日量100t処理能力、昭和48年建設、平成7年改修)を残し、同所2号炉(150t処理)及び平成元年建設の中央グリーンセンターの焼却炉(240t処理)を廃棄するかわりに、平成23年度稼働をめざして今回の計画がされました。
 なぜ技術検討委員会の技術評価点を無視したのかについては、5月2日に技術検討委員会が2社をヒヤリングした結果ライフサイクルコストについて不明なので、建設検討委員会に精査を全面的に付託されたものです。無視していないということでした。また、山元還元処理について評価項目に入っているのに、なぜそれを処理方式に取り入れたことを無効にした理由がわからないという疑問には、薬剤処理をして最終処分にしますとはっきり発注書に書いてあるにもかかわらず、A社は山元還元処理で見積書を出してきた。薬剤処理した上で最終処分する方式での見積書を出させるのはA社を利することになるため、評価するにあたらないとして失格としたという。A社から異議申立書が出されたのは、はっきりと提案されていなかったためではないかという質問には、2度の申立があったが、その後何とも言ってこないので納得されたのではないかという、なんだか自信ありそうな回答でした。さらに、山元還元処理については同じ「経済性・リサイクル性」の大項目ではあるが、「副生成物(スラグ、メタル、飛灰等)の性状」の中項目での将来最終処分場が満タンになることを想定し、将来の方法としての提案をお願いしたのであって、項目が違うという説明でした。
 入札参加業者に見積書、仕様書などすべての項目の入ったCD−Rを提出されているが、技術検討委員に技術提案の概要やコメント、確認してもらいたい事項などを4月28日にメールした事実があるけれど、そうするには事前に2社のCD−Rを見ていないとできないのではないかという質問に対して、A社の分は失格となったので、現実にはすべて封印して出納室の金庫に保管してあるので、見ていない。技術点については、担当者のメールボックスに技術提案審査に関する提出図書の分の内容を事前に送ってもらい、それで作成したと回答されました。これについては参加者の中から、CD−Rを見なかったなんてことがあるわけがない。今どこでもらったCD−Rを見ずに書面で処理するところがありましょうかと、信じられないと激しく詰め寄られました。
 その後の説明の中で、A社は山元還元処理にかかる運搬費について20億円かかることがわかったが、数字の間違いがあり2億円ほどの誤りの訂正があったと、A社は信用できないから契約できないのだと、暗に私たちに認めさせたいような発言がありました。
 そのほか、なぜシャフト炉式ガス化溶融炉でなければいけなかったかという質問には、4年前から検討が行われ、国庫補助をもらうためにはストーカ+ガス化溶融炉かシャフト炉式ガス化溶融炉しか無く、シャフト炉式の方が人件費がかからないということで選択したそうです。技術検討委員会はシャフト炉方式に決まってから招集されたので、シャフト炉方式に決定したプロセスは知り得ないということもわかりました。
 わからないことや疑問点を知るために、さらに調査を進めたいと思います。
 びっくり!自民党会派の暴走
 
 岡崎市議会自民清風会(22人)が8月23日の議会運営委員会で、来秋行われる市議会議員選挙について、旧額田町地域を特別区として2人の選挙区を作り、現行40人定数を42人に増やす議案を9月定例議会に提案する意向を明らかにしました。
 合併協議会で既に40人定数とすることが合意されているのに、どうして公費の削減を図っている時期に提案するのかと、市民からの相次ぐ抗議から提案を取りやめましたが、どうして岡崎市議会自民清風会はそれほどまでに市民感覚と離れた提案ができるのでしょうか。政務調査費の使い道を見ても、市民オンブズ岡崎が再三指摘しても直そうとしない態度に、市民感覚とのずれに真っ正面から向き合おうとしていない姿勢が現れていますが。

戻る