市民オンブズ岡崎

No.25  2003.3.14
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全くひどい監査結果
政務調査費監査請求棄却される!

岡崎市監査委員はわたしたちが「市民監査報告」としてまとめた監査結果とは全く違った結論を出しました。監査結果については別紙の通りです。
ここで特に注意すべきは、書籍についての記述です。「・・書籍購入費については、市に返還されることが明らかなため、監査対象から除外した。」というものです。これは、市民に指摘されて議員の側でまずいかなと思ったら、「その分は返還します。」と宣言するだけで、まだ返還されてもいないにもかかわらず監査対象から除外してしまうと言うことです。泥棒が他人のものを盗んでおいて、見つかったら「返します」と言うだけで罪とならないということと同じです。こんなふざけた監査があるでしょうか。


2003年 3月 12日

監査結果に対する「市民オンブズ岡崎」の声明文

市民オンブズ岡崎(代表 渡邉 研治)


 昨年12月26日に私たちが請求した岡崎市議会議員政務調査費の監査結果が2月21日付けで通知されてきました。また、日本共産党岡崎市議団は2月9日付け「岡崎民報」紙上で、「市民オンブズ岡崎の監査請求について」として同党岡崎市議団の見解を表明しました。私たちは、ここに、住民監査請求の結果を簡単に紹介し、それに対する私たちの見解とこれからの運動を表明したいと思います。
 岡崎市監査委員 畝部和男 氏 および 上野 精 氏が下した監査結果は「本件請求を棄却する」というものでした。
 まず、市の監査結果について、政務調査費の返還請求に対して、政務調査費が全く返還されないのか、と言うと、そうではありません。自民新風会、自民党市議団、日本共産党市議団の書籍購入費の一部または全額が市に返還される、とあります。そして、それゆえにこれらの書籍購入費は「監査対象から除外した」とされました。これはまるで、泥棒を捕まえたら盗品を返すと約束したので無罪である、としているのと同じことです。私たちの監査請求がなければ返還されなかったのは明らかです。この点の判断を避けた上で「請求は棄却」としているわけですから、単純に棄却されたわけではありませんが、まだ返還もされていない段階で、こんな監査結果があるでしょうか。
 第二に、市の監査請求は、後で出費の理由をこじつけたと思われる弁明ばかりです。最も極端な例は、「ゆうあい21」市議団の茅ヶ崎市、東京都千代田区永田町の視察・陳情について、市議団の支払証明書には「視察・国会陳情」と記載されているものを、この監査結果で「国土交通省の道路行政や河川行政に対する取り組みと新事実の情報収集を行っている。なお、国会陳情は主たる目的ではない。」と、視察の目的を後付けています。また、物品の購入や修理についても少し詳しく調べれば個人使用物であることが明白なものであっても、会派の部屋で利用されるものの購入または修理と強弁しています。さらに旅費については職員の旅費支給規定でも航空運賃は「実費とする」と指摘しながら領収書が添付されず支払証明書で良しとしています。これでは、何のために監査委員が置かれているのかと疑いたくなります。
 次に、日本共産党岡崎市議団は2月9日付け「岡崎民報」紙上で、「市民オンブズ岡崎の監査請求について」として同党岡崎市議団の見解を表明しました。日本共産党岡崎市議団はの見解は「プリンター及び市議団ニュースについては全くの不正はない。書籍について事務上のミスは返還する。また、「個人的趣味」という指摘に対して異論はあるが、市民の目から見て、議会活動に直結しないと考えるものについては、返還する」とのものでした。同党市議団が他の会派に先がけて私たちの返還請求を広く伝え、私たちの請求理由も紹介した上で見解を表明したこと、さらに、同党市議団が率先して書籍購入費の返還を表明したことが他の会派の書籍購入費返還の手本となったであろうことから、同市議団の公明正大な態度に敬意を表したいと思います。しかしながら、プリンターと市議団ニュースに関する見解は、そのプリンターを必要としていたとか、各派代表者会議で論議済みであるとか、同市議団内部の都合を表明しているだけで、私たちが指摘した、プリンターが二重に支給されたことになる、広報費の出費については条例に根拠がない、との指摘には答えていません。 (政務調査費取扱要領・申し合わせ)
 こうした条例や規則に定めず、市民に知らされない議員や(議会の正式機関でない各派代表者会で取り決めた)会派の内部的な約束ごとに流された監査請求の結果は不十分なものに終わったと言わざるを得ません。
 しかしながら、私たちは、このような不十分さをもって住民訴訟に訴えることを今回は見合わせることにしました。理由は、すでに述べたように返還請求の一部は実現することとなったこと、もう一つは、監査結果の最後に、広報費・旅費・ガソリン代・電話代・書籍の購入について今後の検討と住民の常識と乖離しない、などの問題点が指摘されたことからです。このような結果を引き出したことで、政務調査費の私的流用には歯止めがかかるであろう、と期待されるからです。
 地方議員の政務調査費の私的流用の問題は、各地の市民オンブズマンが取り上げているのみならず、名古屋テレビのニュース特集「怒」でも取り上げられ、地方議員の税金の使用に対する鷹揚な態度が怒りをもって報道されています。このように政務調査費に対する市民の怒りが広がっている状況下では、政務調査費のより厳正な使用あるいは政務調査費の減額が進まざるを得ないと期待されます。私たち「市民オンブズ岡崎」は、今後とも政務調査費の住民監査を続け、岡崎市議会議員の政務調査費の使用形態を適正化していくとともに、全国に広がった政務調査費に対する住民の怒りの先導を務めるつもりです。そして、それでも税金の個人的流用に歯止めがかからない場合は、その時こそ住民訴訟に訴えたいと考えます。


下水道宅地内排水調査委託契約に談合
3年間で約2億円の不正支出を監査請求

 前回のニュースでもお知らせしましたが、岡崎市は公共下水道への接続前に宅地内の排水路の調査をし、その排水管図を作製するのに1件あたり約1万円の委託料を払っています。その作業はあまり「専門的で特別な知識が必要なもの」ではありませんが、どういうわけか、ほとんど1社にしか落札してきませんでした(前回ニュースの表参照)。
その会社はシュアリサーチサービス名古屋営業所です。西三河8市を調べましたが、岡崎市以外では西尾市が取付管設置位置調査費として一軒あたり1,670円で地元下水道工事業者の組合に委託しているのみで、他の市では調査そのものを委託していませんでした。そこで、2月14日公正取引委員会に告発するとともに、岡崎市監査委員に対しても3月12日住民監査請求することにしました。


岡崎市職員措置請求書

2003年3月12日

岡崎市監査委員様
                 請求者 岡崎市羽根町鰻池 97番地2                         市民オンブズ岡崎                                渡邉 研治(地方公務員)       
                     ほか   1   名

 地方自治法第242条の規定に基づき、下記のとおり住民監査請求をします。
 
                   記
1.請求すべき事柄
 2000年度から2002年度にわたって執行した「宅地内排水調査業務契約」について2002年11月2日に談合情報が寄せられた。2000年度には4回の入札があり、不調に終わった9月26日以外は「シュアリサーチサービス名古屋営業所」が落札(33,450,000円)している。また、2001年度は4回の入札があったが、すべて「シュアリサーチサービス名古屋営業所」が落札(70,600,000円)している。さらに2002年度においても談合情報のとおり、同じく「シュアリサーチサービス名古屋営業所」が4回すべて落札(61,400,000円)している。いずれも談合によって著しく市が損害を被った違法な支出であった。さらには、同じく流域下水道に接続させる西三河8市の同様業務を調査したところ、西尾市(1軒あたり説明および取付管設置位置調査1670円および承諾書回収2890円を地元下水道組合に委託している)を除いては業務委託して調査している市はなかった。宅地内の排水をどうするかは私権に関わるものであり、本来行政がタッチすべきものではない。そのため、西三河各市は調査委託をしていなかったと考えられる。よって、不法・不当な公金支出を承認した市長および下水道局契約および支出担当者(支出負担権限者、支出命令権者、支出行為者およびそれらの代決者)は「シュアリサーチサービス名古屋営業所」と連帯し、金165,450,000円全額を市に返還させる等の適切な措置を講ずるよう勧告することを求める。
                                      
2.請求する理由
「宅地内排水調査業務」は聞いたところ、1993年頃から行われている。そもそも宅地内は私有地であり、宅地内排水路をどうするかは自己責任で決めればよいものであり、業者の営業活動に委ねれば足りる。実際の排水工事は岡崎市下水道指定業者で行われることになっており、事業活動と密接な関係があれば、間違いなく積極的に、市の下水道への接続について営業活動が行われるはずである。よって本来不要な業務であった。それは西三河8市のうち6市が調査業務の委託をしていないことからも明らかである。例外的に西尾市だけが「説明および取付管設置位置調査1670円および承諾書回収2890円(1戸あたり)」を地元下水道組合に委託しているが、それでも岡崎市下水道局が契約した額(1戸あたり約1万円)の半額以下である。よって、もし必要であったとしても不当に高額な支出であった。
 さらに、「シュアリサーチサービス名古屋営業所」しか落札できない談合を疑われる入札結果(不調に終わって、指名からはずされた1回を除いて、3年間で11回の入札があり、第1回入札であっても、第2回であっても、3回目であっても常に上記営業所が1位であった事実)。そして投書から、独占禁止法に違反する談合情報が寄せられた事実がある。


3.違法又は不当な公金の支出があると認められる書面
 @ 平成12年度から14年度の入札結果表
 A 平成14年11月2日「市民オンブズ岡崎」メールされてきた投書
 B 西三河8市の情報公開で得られた各市の回答文
 C 契約書および調査にかかる該当世帯に配布された文書


次回例会    例会は「市民オンブズ岡崎」事務所で行っています。
どなたでも参加できますので、関心のある方は是非お越しください
          3月14日(金)午後7時30分〜
          3月28日(金)午後7時30分〜
県内自治体「政務調査費」市民監査報告会 (別添チラシ参照)
          3月29日(土)午後2時頃から

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