市民オンブズ岡崎

NO.14  2002.1.6発行

あけましておめでとうございます

 年末に事務所移転となり、あわただしく年をあけました。
 まだ事務所の中は整理されていませんが徐々に事務所らしく整ってくることでしょう。
 会結成から2年間、あれもしなければ、これもしなければと意気込んできて、それなりに成果をあげてきたと自負しています。しかし、当初の意気込みは続くものではありません。3年目を迎えて身の丈にあった活動としたいと思います。そのためにも事務局体制を見直すべき時にきていると思います。皆さんのご協力をよろしくお願いします。

乙川河川整備計画について話し合いがもたれました。

乙川河川整備計画について話し合い(2001.10.19)記録
出席者 市民オンブズ岡崎 渡邉、天野、沖、森山、太田
  土木事務所側 愛知県建設部河川課計画グループ主任主査 江川 求  主事 増岡浩仁
  岡崎土木事務所建設第二課課長 青木清人 課長補佐 浅野 登 主任専門員 守永 健
                 主査 白村 暁
話し合いの内容
岡崎土木事務所白村氏のあいさつ
 知事への意見書をもらい、そこに「市民への充分な説明がない」と指摘されていたが、(私としてはご説明してきたと思うが)対応が遅れて申し訳なかった。
意見書の内容について治水、利水、環境の三点について指摘があったので岡崎土木事務所としての考えを示したい。
《治水について》
土木事務所としての考え
 まず治水について、乙川圏域河川整備計画については46年洪水を基準として整備計画を立てています。また、利水については渇水時の水量の確保することを目的としています。環境については、川に水流が安定的に供給できるよう、ダムなどで河川を改変した場合なるべく自然を守っていきたいと考えている。
 基本計画では乙川の将来の姿について、100年に一度の洪水に対して安全な川を目指している。そして、今回の河川整備計画は今後30年の間に何ができるかという段階的メニューである。いままで進めてきている河川整備は基本計画と暫定的計画を順々に進めてきた。しかし、市民にはなかなか進捗状況がわかりづらい。
 平成9年河川法の改正により、いつまでやるのかわからない方法ではなく、30年という期限を切って将来像の中のとりあえずの30年計画を作成したということだ。
市民オンブズ岡崎からの質問
 治水の観点から考えると、昭和46年から既に30年経っておりいつ洪水になっても良いことになります。そうすると、下流域での1600m3 /sに対して2.2%にしかならないダム建設を早急に進めるより、暫定的でもいいから効果の高い遊水地計画を先に進めるべきではないか。費用対効果から考えても、173億円を使うならそちらを先にするべきだ。また、(公共下水道供用に際しし尿浄化槽を撤去させるのではなく、散水等に利用する雨水を貯める貯水槽に利用すれば、洪水時や渇水時にも有効なので)浄化槽利用に補助をして普及させるなど早急に進めたほうが効果的だ。
どっちみち、46年洪水の状況を考えてみたとき、実際に遊水地計画地が浸水したのだからそこを整備するのが最優先ではないか。
岡崎土木事務所の答え
 46年洪水を基準に治水だけから考えるとそうかも知れないが、これは20年に1度の洪水の基準であり、100年に1度の洪水を基準に、利水も考えるとダムの優先順位はあがる。
市民オンブズ岡崎からの質問
 降水量の見込みが過大ではないか。また、それでも更にダムの貯水量も洪水調整として2050tとしているが、ピーク時のカット水量130m3 /smだから1時間で460tになる。2050tを460tで割ると4.38となり4時間30分近く豪雨が降り続かねば達しない数値である。過大すぎると思う。(計算方法を示す)
土木事務所としての考え
 最大雨量を2日雨量388mm、3時間雨量142mmは妥当。また、男川ダムの3300tのうち洪水調整として2050t、堆砂300t、不特定容量750t、新規利水200tとしている。(のちに確認したところ、実際の雨量から100年に1回の確率である大雨が起きたときを予想して計画降水量を出し、2.08倍に引伸ばした結果だという。)
《利水》
市民オンブズ岡崎からの質問
ダムを優先する理由として、治水では優先順位が一番低いけれど、利水を含めると優先順位が一番になるということですね、土木事務所としての考えを聞きたい。
岡崎土木事務所の答え
 指摘があったように、額田町の簡易水道は県平均有収率より低い。これは、供給量が少なく、配管を長くしなければいけない山間部では、水を滞留させると残留塩素がなくなってしまうので、ある程度は流してしまわざるを得ないためだ。また、確かに県平均より有収率は低いけれど山間地の町村、足助町、下山村、旭町などと比較すればそれほど低い率ではない。
市民オンブズ岡崎からの質問
 有収率の悪い簡易水道は宮崎など人口がどちらかというと多いところなので、その説明は納得できない。また、上流に位置しているので、その流す水を下流の今後必要とする地域の簡易水道に配水にすればいいではないか。
 また、一人あたりの配水量が多いのはなぜだ。また、計画では1日あたり2500立方メートルの新規利水を必要としているが、現在でも工業用水1573立方メートルのうち582立方メートルしか公共水道に頼っていないのに、2500立方メートルというのはあまりに大きすぎないか。また、額田町の負担する建設費及びダムの維持費はいくらか。
岡崎土木事務所の答え
 額田町の場合、工業配水が岡崎よりも多く含まれているからだ。また、利水計画については額田町から出された将来予測を信じてやっているということだ。
ダムのメンテナンスを年間2000万円と予想している。額田町が負担すべき建設費及びダムの維持費はいくらかまだ話し合っていない。
《環境》
市民オンブズ岡崎からの質問
 ダムサイト計画地には天然記念物のネコギギやゲンジボタルの繁殖地があるが、この保護についてどうするのか。
岡崎土木事務所の答え
 いままで環境調査を委託していたが、数量的な調査だったが、今年はどのような生態かも含めて調査する。1年はかかると思う。ネコギギも水槽で人工繁殖に成功したということも聞いている。
市民オンブズ岡崎からの反論
 水槽で人工繁殖させたとしても、それを天然記念物とは言わない。自然状態で生育しているものを天然記念物ということを、覚えていてほしい。
《締め》
市民オンブズ岡崎から
 来年度の予算要求はどうしているのか。また、ダムを作らずに間伐等森林保全整備などで保水力が増すだけでなく新たな雇用を創出でき、一挙両得ではないか。土木事務所だけでなく、農林水産部なども含めて総合的なプロジェクトにしたらいい。
岡崎土木事務所の答え
 森を保護することで確かに保水力はよくなると思うが、建設部だけではできない。私たちは河川整備をどうするかということで考えている。
 計画を進める上で、今後も話し合っていきたい。このダムは河川法の基準から環境アセスメントを必要としない。環境調査の結果も請求があれば今後は開示したいと思う。河川委員会は今後開くことはない。
《市民オンブズ岡崎メンバーの感想》
1. 愛知県建設部河川課は「30年後の姿」をめざしているというが、毎年中小河川で洪水の被害者が出ている現実が後回しにされていることはおかしいと思う。
2. ダム建設費173億円と毎年2000万円の維持費が必要なダム建設の代替策(遊水地建設、森林保全、水田保全、雨水利用などの対策)の方が費用対効果は高いのではないか。
3. 今回の河川整備計画が20年に1度などという予想値ではなく、実際の46年洪水を基礎に考えたと思ったら、過大な計画である100年に1度の洪水対策がベースにあったこと。それを最終目標にしていることにビックリした。
4. ダムの利水計画は額田町の出してきたデータや希望だけで考えられてきて、愛知県として十分検討された利水計画ではないことが良くわかった。治水計画としてダムは一番必要性がないこともわかった。
 (文責 渡邉)

 この話し合いの記録を知事や岡崎土木事務所長にも送付しました。
 昨年末に岡崎土木事務所の担当者から、説明が不足していた点もあると言うことで、年が明けたらまた話し合いを持ちたいと連絡してきました。
 日時の設定ができましたら皆さんにもお知らせしますので、ぜひ参加したいという方は事前にご連絡ください。

例会の案内

市民オンブズ岡崎
例会のお知らせ

1月11日(金)午後7時30分〜
  事務所開きを兼ねて、第1回の例会を行います
  会計報告など

1月25日(金)午後7時30分〜
西三河地方の市長・議長交際費の内訳は?
議題を持ち合って話し合いましょう。
議題のある人は事前に連絡を!

お 願 い

 「市民オンブズ岡崎」は市民の有志が集まって、市民による行政監視を進めていこうと考えています。
行政が市民の方に目を向けるかどうかは、市民が不断の努力によって行政に関心を向けている必要があります。
 是非各人の力をお貸しください。
今年4月からは、できれば毎週特定の曜日に午後7時ごろから9時ごろまで常駐したいと考えています。
 活動を活発にするためには、人材と日常の維持費が必要になってきます。会費年額5,000円。時間のある方は時間を、知恵のある方は知恵を、運営
費の援助のつもりでも結構です。会員になってください。

事務所移転の案内(岡崎グランド劇場東)

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