市民オンブズ岡崎

No.8 発行2001.4.2

市長・議長交際費で住民監査請求

 3月22日、昨年7月に情報公開条例ができた折に請求した市長や議長の交際費のうち、どうしてこんなものまで寸志を出すんだろうというものはたくさんありました。しかし、そのうちで特に憲法でもうたっている「政教分離」に反する支出について、今回の住民監査請求の対象にしました。

市民オンブズ岡崎例会案内
  次回会合 4月 6日(金)午後7時30分〜
       4月20日(金)午後7時30分〜
  場所    市民オンブズ事務所

会費及びカンパのお願い
年会費は5000円です。
郵便振替00870-0-91440「市民オンブズ岡崎」です。

3月18日『乙川フォーラム』開く

 愛大渡辺先生らを招いて「乙川フォーラム』を開催しました。
講師の説明などによれば、乙川河川整備計画はもともと昭和46年に発生した洪水を抑えるために計画された3つのダム計画の改訂版であるとのことでした。昭和60年当時岡崎土木事務所が計画していたのは@伊沢ダム(数百万トン)A男川ダム(数百万トン)B(たぶん明見あたり)場所特定がなかった乙女川のダムで洪水調整するというものでした。今回の計画では名鉄男川駅あたりで遊水地を作る計画になっていますが、新しい考え方が若干入っているように思うとのことでした。
しかし、流域委員会ではダムを建設する必要があるのかどうかということまでの検討をしていない。遊水地のみの整備費の方が安いのに、なぜ遊水地プラスダムが最善と判断したのか明確にされていない。また、12月に行なわれた住民説明会でも経費の問題や環境への負荷についてあまり説明がされていないようでした。
河川環境との共生、特に天然記念物のネコギギの生態はあまりわかっていないのですから、他の川へ安全に移す事は困難でしょう。また、鳥川流域でオオタカやハイタカが観測されています。餌場だから開発してよいという論を組み立てられているが、営巣地のみが重要ではなく、餌場など生活環境全体が保障されないとタカは生きていけないのです。ということは、餌となる小動物にとっても良い環境が残されなければならないのですが、ダム建設で環境破壊されるのです。ということは、とりもなおさず人間にとっても良い環境が失われることで慎重な取組が求められるというのが集会の話し合いの流れだったように思います。集会で話し合われた内容を岡崎市長などに送ったらどうかという提案があり、愛知県知事、愛知県岡崎土木事務所長、岡崎市長、額田町長に説明会や公開検討会を開くよう要望するとともに、次の文章を送りました。

岡崎市長様
市民オンブズ岡崎

 わたしたちは3月18日に岡崎勤労福祉会館で「乙川フォーラム」を開催しました。
そこで出てきた参加者の意見をまとめましたので、今後の行政に生かしていただきたくお知らせします。

乙川フォ−ラムメモ(順不同)
質疑・意見
Q.県のパンフレットの「乙川河川整備計画策定の流れ」にある、住民への説明会や縦覧意見提出を求めている昨年の12月の段階で、すでに男川ダムの予算が調査費しか認められなかったので、13年度の着工ができないという記事が新聞に出ていました。河川整備計画とは別にダムだけが先行するということはあるのでしょうか。本当なら、「河川整備計画の決定」を待って予算云々があるはずだと思うのですが。
(一般に行政は、調査の段階から建設中と見なすようです。)

Q.このパンフレットでは、「原案−計画素案−計画案−河川整備計画の決定」の順番ですが、乙川流域委員会の議事録を読むと、事務局が原案を出して、委員会がそれについてあれこれ言う形になっていました。委員会の中で良い点を指摘しているのですが、それについて十分な検討がされていません。言いっぱなしで追求がありません。

Q.流域委員会の有識者というのは、行政が自分たちに都合の好い人を選んでいるので、委員会に働きかけるだけでなく、住民も自分たちで市民の流域委員会を造ることが必要ではないでしょうか。

Q.河川整備を始めるには、環境影響評価法に基づく環境影響調査があり、それには住民意見を聞く機会があると思うので、そこで意見を言っていくことが必要でしょう。今後もこの計画を見直させる機会はあるのではないでしょうか。高水敷の工事などは環境への影響が大きく問題だと思います。

Q.ダムそのものの環境調査はやったということですが、それだけではなく河川法による調査の段階でまだ言っていけると思います。

Q.河川法が改正され、治水・利水に環境を加え、住民意見を聞くなどと転換してきているとのことですが、行政のほうはそれに応じて変わってきているのでしょうか。住民がもっと関心を持って、新しい制度を利用していかないと行政は変わっていかない。

Q.でも川辺川の見直しが言われ始めているのを見ると、変わってきたなと思います。あそこは行政的にはずっと計画が進んでいるのに。やはり環境省の力が大きいからでしょうか。どうやって環境省を引っ張り出せるか考えるといいと思います。貴重種の保護だけでは困難なので水質の悪化とか、泥がどう流れるのか、そういうことで環境省を動かせるのではないか。

Q.反対意見は良く聞くが、事業者は、なぜ、ダムは必要だと言うのだろうかと考えてみる必要があるのではないでしょうか。

Q.全てのダムが全く役にたたないということではなく、いろいろ組み合わせて治水の効果を考えるということが必要ではないでしょうか。議事録を見ると、委員も問題にしています。

Q.住民説明会に出た経験でいいますと、ダムと遊水地と河川整備の方法を組み合わせてこれから考えていきます、という説明でした。ですからまだ具体的なイメージがなく、意見を言う人は少なかった。ところが計画書を見ると、
@ 遊水地のみ130万トンの洪水調整だと経費は308億円。
A 現計画であるダムと遊水地を組み合わせて345億円。(遊水地105万トン、ダムで205万トンの洪水調整。)
B ダムのみで525万トンの洪水調整396億円。
とその組み合わせと金額が書いてあって、なぜかマルペケで2というのが選ばれていました。説明会ではその説明はなかったし、ダムは平成13年から、遊水地は平成16年から32年、河道改修は平成29年から42年にかけて行うという計画であるようですが、来年からすぐにダムが着工などというような説明はありませんでした。あればもっと意見は出たと思います。

Q.男川ダムは治水と利水を目的とする複合ダムです。利水を考えればすこしでも多くの水をためておかなければならず、治水を考えればすこしでもダムを空にしておく必要があります。支流のまた支流である鳥川に作ろうとしている男川ダムにどれほどの効果があるのでしょうか、あまり洪水対策に効果がないのではないでしょうか。それよりも環境に与えるマイナス負荷の方が大きいのではないでしょうか。

Q.ダムを作るよりも保水能力を高めるための森林の手入れなどが必要だと思うのですが、それは農水省の管轄範囲であり、それにはまったく触れようとしていません。それが役所の縦割り行政で、それを変える努力をしないと難しい。役所の縦割りを認めるのではなく、住民・市民から森林保全などを要求して、役所を変えていかなければならないのでは。

Q.洪水のことで言えば、河川審議会なども、ダムだけに頼らない治水を言い出してきました。国が河川を管理したのは明治29年以来ですから、ここ100年ちょっとです。それまでは住民が川の管理というか、関わってきました。これからは洪水は起こるかも知れないが、被害を最小限に食い止めるというように住民が防災を考えていくこと。今までのように全部国や自治体に責任をぶつけてしまわないということ。そういう方向へ変わりつつあるということですね。

Q.額田町の必要となる水道量の予測の根拠にしている数値が岡崎に比べて非常に大きくなっています。予測人口も、12年度は11年度より確かに少し増加していて、それを根拠として増加予測をしていますが、今回の国勢調査によると12年度は5年前の国勢調査より減少しているということです。それなのに、11年度から12年度の増加分だけを取り上げてその比率で増加見込みとしているのは頷けません。

Q.乙川・男川のアンケ−ト調査の設問1、川へ行く頻度が実態とあわないように思います。「せっかく市街地を流れる川ですが、触れ合う機会は少ないようです。」なんてことはありません。乙川河川敷の利用はとても多い。最後の「防災面での意識はあまり感じられない」というのもおかしい。

Q.下流の人はもっと節水に心がけるべきではないでしょうか。宇和島の親戚は、水源が小さなダムであり、すぐに渇水するし、海も汚せないからトイレなども水洗ではなく、清潔感のある泡を使うものとか利用するとか工夫しています。

Q.ダムは結局コンクリ−トの塊を造ることです。河道もコンクリ−トでかためて、かえって逃げ道を失った流水は一気に下流に流れ込み、洪水が出る。吉野川の従前の堰のように、先人の工夫のような方法を考える方が良いのではないだろうか。

Q.利水権に農業用水と工業用水があるが、どちらも利用が減っているので一部を額田町が必要と考えている町の上水に回してもらえば、利水目的のダムは必要ないのではないでしょうか。額田町もこのダムから利水権を得ることになれば、必要であろうがなかろうがある一定の水量を県企業庁から買わなければならなくなり、超財政の融通性を失うことにならないだろうか。

Q.このパンフレットを2万人の住民に見せて意見を求めたと言うが、岡崎市民は30万余人だから半分くらいの意見を聞くくらいの機会を造ってほしいと思う。また、関心を持ってもらわなければいけないので、これからももっと市民に知らせていきましょう。

このメモは慌ててまとめていますので、発言の趣旨は伝えていると思いますが、言い回し等で若干正確さを欠くものになったかもしれませんがおゆるしください。

お知らせ 豊橋で『情報公開講座』が開かれます。

日時 4月8日(日)13時半から
場所 豊橋市(東松山町)中部地区市民館
講師 新海聡氏(名古屋市民オンブズマン)
「情報公開のもつ力を活用するために」
参加 無料

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