市民オンブズ岡崎

NO20    発行2002.9.22

9月14日オンブズ全国大会が宇都宮で開かれる。

第1日 全体会報告

 今年で9回目となる全国大会に参加しました。
 会議ではまず、平成11年度から84自治体で始まった包括外部監査報告書を分析した結果について述べられました。その詳しい分析は報告書にまとめられています。(関心のある方は「市民オンブズ岡崎」で貸し出しますので、お申し込みください。)包括外部監査の評価は市民の方を向いた監査になっているかどうかがポイントで、ぜひ自分の住んでいる自治体の監査報告書は入手して読んで欲しいと訴えられていました。そして、報告書は市民が読めるようなものでなくてはいけないし、市民の方でも監査報告書が読めるようにならなければいけないと述べられました。
次に、議員の政務調査費等の使い道について各地で話題になっており、監査委員は議会費についてチェックしているのかという全国調査をしました。資料は38県から寄せられたが、定期または行政監査が普通で、中身に踏み込んだ監査は1県もないということでした。会派(議員)への政務調査費支給は補助金交付団体とみなされるので「財政援助団体監査」であり、情報公開すべきであるということでした。ちなみに、交付額が多い自治体ほど内容を明かさず、少額のところほど情報公開しているという報告がありました。
 そして自衛隊の情報公開請求者リスト問題や談合問題についての報告がありました。

公共事業分科会報告

まず昨年の公共事業のテーマであった空港、ダム、港湾、高速道路など過大な事業予測に基づいて計画されていることが明らかになり、大型箱物行政に対しては評判が悪く、風当たりが強くなってきて、中止に追い込まれるほどになってきた。そこで、大都市を中心として地上げによる不良土地が数多く残っている。そのために不良債権処理が進まない。そこで、公的資金が投入され、都市再開発が進む。都市再生という耳障りの良い都市再開発プロジェクトに方向転換がされてきていることに注目していく必要があるという。土地再生法が成立して、民間デベロッパーに土地収用権を付与した。これから土地再開発が利権の巣窟になるだろう。しかしこれは空港等の公共事業と違って私たちの目の前で行われる事業なので、具体的に暴くこともできるとのことで、都市再開発事業についていくつかの事例が発表された。
仙台市の場合
二つの再開発事業があり、「たいはっくる」という地上31階地下2階の複合ビルをメインに再開発事業に36億円を投入した。マンションと店舗が入り、公共施設も入って見栄えはよくなったが、「36億円という税金をつぎ込んで誰がどれだけ喜んだか」をお問いただしたところ、再開発後地価の上昇が図られるとするだけで、他の方法との比較検討、事後検証などは欠落していることが報告された。さらに5つの公共施設の保留床を確保したが、これは補助金の投入の担保として確保されていると思っていたところ、この買取費用は別であったことが判明。再開発事業によって利権を得ているものがいるから、これから都市再開発事業は増えるだろうということでした。
いわき市の場合
平1丁目という駅前再開発ビルでは83億円の建設費のうち公的資金が45億円投入された。6階以上にマンションとホテルが入った。近くの「ダイコクヤ」という百貨店の社長が商工会の会長をしており、それまでキーテナントを大型スーパーなどと交渉していたときは反対していたのに、ホテルがキーテナントとなると打って変わって推進派の先頭にたつ。なお、市が4、5階を「生涯学習プラザ」として14億円で買い上げる。フロア−仕上げだけで1坪141万円の計算になるが、6階以上のマンションは部屋の仕切りや水回りの設備があるマンション仕上げなのに1坪94万円で売っている。この価格の逆転現象は何故だろう。
 また、向かい側に小公園を作ったが、ここは地価の下落が大きいところで、前年比21%ダウン。バブル最盛期の2割になっている。そのバブル絶頂期の価格1億2千万円の1.5倍の価格で市は住宅供給公社から買い入れている。また、公共の用に供する(生涯プラザの利用者か?)ためと駐車塔を1億5千万円で作ったが、生涯プラザのための駐車場は別に市が借り上げている。この駐車塔はマンションの住人のために便宜供与しているとしか思えないと報告がありました。
千葉県船橋市の場合
JR船橋と京成電車電車乗り換えがスムーズにするため再開発ビルを422億円で建設。うち、公的資金が238億円投入された。しかし、このビルにはパチンコ店(風俗営業)が入店するので、駅前でありながら学校や保育所、図書館などは入れなくなってしまう。誰のための公益性があると言うのだろうか。
岡山県津山市の場合
昭和54年から平成9年の間に地価が30%も下がってしまった。現在16.3%空き店舗となっている。平成11年にニチイが郊外に開店。いよいよ買い物客が来なくなった。
 昭和61年に中心市街地再開発構想が出る。3つの集合ビルを建てるが、保留床が売れないために、再開発組合が解散できないでいる。行政指導で津山氏が15億円出し、建設を請け負った熊谷組が12億円の債権を放棄してその分権利床を取る。
ミニ・ディスカッション
 大阪からは、大阪府の場合、再開発事業は30事業44.6haあるが再開発組合では収支が赤字のところはない。かかった費用は全て回収できたと言う報告がある。公費負担で再開発の赤字を埋めているのが現状だ。
名古屋からは、土地再生本部は全国の主要都市再生プロジェクト288件について検討。昨年12月、第5回会議で民間事業者から出される286プロジェクトをやるのに何がネックになっているのか抽出した。
@認可されるのに時間がかかる。A法の規制がある。B地権者の反対がある。
 特別な地区を作って既存の規制を解除する。これが都市再生2法である。
 東京からは、森ビルが手がけている六本木地区開発では容積率300%のところ、719%になってる。三菱地所の丸ビル再開発では1000%の容積率のはずなのに、1500%の容積率を認めている。業者に不当な利益を与えている。汐留再開発では東京都の区画整理事業など1500億円のインフラ整備(地下鉄大江戸線の駅ができるなど)が入っている。再開発事業はそれだけで見るのではなく、それに伴うインフラ整備にも多額の公費が使われているので、その公益性があるかどうかは重要である。
などと話し合われました。
市民オンブズ岡崎
9,10月例会のお知らせ
9月27日(金)午後7時30分 「市民オンブズ岡崎」事務所

10月11日(金)午後7時30分 「市民オンブズ岡崎」事務所
10月25日(金)午後7時30分 「市民オンブズ岡崎」事務所

1乙川整備計画に付いては愛知県西三河建設事務所のホームページに掲載されました。
http://www.pref.aichi.jp/kensetsu-somu/nishimikawa-kensetsu/original/jigyou/kasen/kasen_otoriverplan.htm
210月に現地見学会を企画します。ご参加くださる人は、ご連絡をお待ちしております。
3岡崎市議会議員の政務調査費について、データ入力が済みました。次回は内容について詳しく分析をして、意見書等の話し合いをしたいと思います。関心の有る方はぜひ参加してください。

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