2002年8月28日
岡崎市長殿

岡崎城下「三河小町」事業についての意見書

市民オンブズ岡崎
      代表 渡 邉 研 治
(岡崎市伝馬通2丁目33千賀ビル3F)

@ 「三河小町」建設に関する意見
「三河小町」建設について、今後の行政を行っていくに当たって注意すべきところを指摘したいと思います。今後の行政に生かすようお願いします。
1 建設工事は、小原建設が落札し、その落札価格は予定価格に近い97.7%であり、その他の入札業者がすべて予定価格を超えていたところを考えますと談合が行われた疑いが強いと言わざるをえません(当時あの工事は「小原さんの仕事だ」と言われていたことを考え合わせると)。さらに、指名業者の一つである小原木材は同族会社で少し前は同じ者が社長をしていた会社です。その落札しなかった小原木材が小原建設の下請け会社として建設に従事すると言うのは、小原木材にはじめから落札する必要がなく、指名業者とするのは「できレース」を作るための員数合わせといわれても仕方ないと思います。このような疑いのもたれるような業者選定は競争入札を妨げてしまうことになります。
2 電気工事はトーエネックが落札し、その落札価格は予定価格に近い95.7%であり、その他の入札業者がすべて予定価格を超えていたところを考えますと同じく談合が行われた疑いが強いと言わざるをえません。
3 機械設備については、武田機工が落札しましたが、その後の設計変更が最初の請負金額の134%になっており、大幅な設計変更になっています。こうした大幅な設計変更による随意契約などは競争入札を蔑ろにするものといわざるを得ません。

A 「三河小町」運営管理に関する意見
 「三河小町」運営管理について、今後の行政を行っていくに当たって注意すべきところを指摘したいと思います。
1「三河小町」運営について、3000平方bのうち一部を行政財産目的外利用として使用料366万円が収入としてあげられています。当初から投資に対して3年間で収支をペイさせようと考えられていませんでした。そして、出店者がどんどん撤退することでさらに収入が減少しました。出店者に対して、どのような入場者計画を持って説明され、撤退することによる魅力の半減に対してペナルティが課されているのか、あるいは予想入場者数が満たされないため出店者に無駄な投資をしたとして損害賠償請求がだされてくる可能性はあるのか、市民にははっきりしません。
2 一方、土地購入費10億円あまりは除いたとしても、建設費で1億6500万円、郵便局跡地活用施設準備受託料5500万円、中心市街地多目的広場管理委託料3200万円、郵便局跡地活用イベント委託料3000万円、中心市街地多目的広場イベント業務委託料460万円、郵便局跡地活用施設準備委託料およびにぎわいフェスタ委託料で870万円、その他43万円など合わせて1億3000万円余り支出され、あわせて3億円もの税金が使われました。
3 そのうち、郵便局跡地活用施設準備委託料5500万円、中心市街地多目的広場管理委託料3200万円合計8700万円がアイエヌジーサービスへの管理委託料となっています。郵便局跡地活用イベント委託料3000万円、中心市街地多目的広場イベント業務委託料460万円の合計3460万円あまりがアイエヌジーサービスの受託となっていますが、合計1億2000万円余が集客と関係なく収益を得ることになっていたため、アイエヌジーサービスが安易な計画をしたのではないかという疑念がもたれます。

B 今後の行政に生かすための提言
1 「三河小町」の企画立案から運営管理にいたる施策計画の妥当性の点検
  市議会論議の中でも、仮設テントによるイベント計画が急遽変更されて  仮設建築物を建て、建物を模様替えして大掛かりなものにかえられました。また、管理委託会社とイベント委託会社は同じで100%市が出資した株式会社であることで、いつでも収益を確保できるため、集客への意欲があまりなかったと思えます。
  ここに妥当性はあったのか、確認作業をすること。
2  広報「おかざき」で市民にあきらかにすること
 集客が思わしくなく、3年間の計画を1年5ヶ月で中止したことは英断であったと評価するが、土地購入費を除いても3億円もの市税が結果的に無駄な投資として使われたので、どうしてこのような失敗に至ったのか、今後はどのような事業計画をしていくのかを市民に明らかにする必要があります。広報「おかざき」で公にすること。
3  イベントや大規模施設の建設にあたっては、事前に事業予測等を市民に公表する
今回の失敗を教訓として、今後大規模なイベントや施設の建設にあたっては、十分なリサーチと、収支見込みの公表をすること。
4  事業や建設工事を企画するにあたって、利害関係者は除くこと
「三河小町」の企画立案について、事前に委員会が持たれましたがその中に「岡崎市観光協会長 小原守」氏が選任されていますが、建設工事落札業者の社長だった人ですので情報が事前に漏れないとも限りませんので、今後は該当するような事業について利害関係者を委員から除外するか、入札指名業者からはずすこと。

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