市民オンブズ岡崎 |
「政務調査費」
岡崎市職員措置請求書
2 004年3月23日
岡崎市監査委員様
請求者 岡崎市羽根町鰻池 97番地2
市民オンブズ岡崎 渡邉研治他6名
地方自治法第242条の規定に基づき、下記のとおり住民監査請求をします。
会派 | 返還すべき金額 |
自民新風会 | 7,153、273円 |
自民党市議団 | 5,005,429円 |
ゆうあい21 | 4,782,486円 |
公明党 | 1,702,845円 |
共産党市議団 | 241,587円 |
民主クラブ | 1,103,035円 |
伊藤文治 | 552,110円 |
計 | 19,988,655円 |
2.請求する理由
岡崎市議会政務調査費は「岡崎市議会政務調査費の交付に関する条例(以下
「条例」という)」、により「議員の調査研究に資するため(条例第1条)、年間
一人あたり72万円が支給されている(条例第3条)。そして「使途基準に従い
使用するものとする。」とされ(条例5条)、使途を厳しく制限されている。そこ
で今年も情報公開請求をして、領収書等中身を点検したところ、パソコンが
各会派に一台(五人以上の会派は二台)、プリンターが一台配当されているにも
かかわらず、昨年度購入も勘案すれば個人が利用するとしても人数を超えてし
まう購入をしている会派も出てきた。また、昨年沖縄県や九州への視察が多い
と指摘したところ、2002年度は東北、北海道への視察が増え、特に特定な
議員にあっては町並みの視察との理由をつけて出かけており、視察先の自治体
の役場にも顔を出していない。調査研究のための視察とは考えづらく、観光旅
行であることを証明している。また、条例は広聴費の支出は認めているが、広
報費は認めていないにもかかわらず、広報のための支出が見られた。その他領
収書の信憑性が疑われる支出もあった。
具体的に指摘すると
【自民新風会】
@ 研究研修費―会議の開催場所が宴会に適した場所であり、研修会の名を借りた懇親
会だ。6回263,000円は、会議費ではなく料理代と思われるので、個人負担すべきもの。
A 調査旅費−あいかわらず、九州、東北、北海道へ多人数の視察が多くあり、議会事務
局を通して視察報告書のコピーを求めても拒否された。札幌、函館に5名、秋田県大曲市、
角館町、宮城県白石市に4名、北海道歌志内市、札幌市、小樽市に4名、秋田市、小岩井
農場、仙台市に4名、種子島のある鹿児島県西之表市へ6名、岡崎市に廃校を利用すべき
事案があるのか、山梨県須玉町の下津金小学校へ視察があり、 2,608,220円を調査旅費
に費やしている。親睦旅行とされないためには、市民が閲覧やコピーを請求したとき、少
なくとも公開すべきで、拒否したこと自体視察目的が曖昧だったことの例証となる。また、
多人数での視察であることも親睦旅行とみなされて当然だ。
B 資料作成費−前年7台ものデジタルカメラを購入したにもかかわらず、2002年
度も4台の購入(218,610円)、カメラ(27,090円)があった。また、昨年4台も購入し
たプリンターも1台(31,353円)購入し、どのような理由からかわからないが中古パソコ
ン(45,000円)を購入している。岡崎市議会政務調査費交付取扱要領(以下「要領」とい
う。)では私的経費まで認めていない。個人的所有物となる物品の購入は不当な支出であ
る。
C その他−2002年度も電話代、ガソリン代が支払証明書で済ましている点は実費弁
償とかけ離れている。たとえば公用車で移動する議長などは議員調査活動としてガソリン
代は使っていないはずにもかかわらず、他の議員と同様受け取っており不当利得している
ことが明白である。領収書がない支出は支出の実態がないとして(電話代1,560,000円、
ガソリン代2,340,000円)返還されるべきである。8月以降プロバイダー代を計上してい
るが、昨年の監査結果から監査委員の指摘は、パソコンは会派内にすべてあることになっ
ており、自宅のパソコンのインターネット接続を認めていないので、返還すべき経費
(60,000円)である。
【自民党市議団】
@
調査旅費−他の会派と比べても九州、東北、北海道など遠方への視察が多い。さ
らに、訪問目的を考えても観光旅行とどこが違うのか明白でない。例を挙げると、7月2
〜4日根室市、釧路市、帯広市(153,790円)は請求1名であるににもかかわらず8名で
の行動であった。同行の7名は誰であり、どのような目的で旅行されたのか不明である。
また、8月12〜15日釧路市、帯広市、千歳市(141,980円)は訪問されたという市に
接待記録がない。よって、該当会派の下記の視察は視察ではなく、観光旅行であると推測
される。7月9〜12日群馬県館林市、足利市、妙義町、諏訪市(93,850円)はすべて美
術館等であり、観光旅行と何ら変わるところがない。8月7〜8日岡山市、岩国市(64,180
円)、8月26〜29日阿児町、亀山市、高山市(84,820円)、10月1〜3日函館市、千
歳市、札幌市、小樽市、余市町(120,030円)、10月22〜26日奥尻町、秋田県八竜
町、山形県酒田市、新潟県村上市(372,420円)10月28〜30日宜野湾市、那覇市(92,370
円)、11月28〜29日掛川市、御前崎町(28,060円)、1月8〜9日宇都宮市(61,460
円)、2月3〜6日米子市、益田市、防府市(213,260円)2月24〜26日徳島市、北
九州市(90,580円)、2月24〜26日徳之島、名瀬市(139,820円)2月24〜27日
米沢市、大館市、青森市、八戸市(126,520円)、3月26〜28日網走市、北見市、旭
川市(133,000円)、3月26〜28日熊本県玉名市、指宿市(105,010円)、3月26〜
28日那覇市、沖縄市、福岡県前原市(120,610円)なども観光巡りと推測される。
A
資料作成費−5月13日に購入したパソコン(162,330円)は会派にはすでにパ
ソコンが準備されており、個人的な所有と推測される。私的所有は要領でも認めていない。
B
公聴費−4月10日〜15にかけて条例にない広報(市政報告)が4件あった。
4月10日200,000円、11日25,200円、15日に18,239円、57,900円の2件である。
まず、条例にないのだから不法である。会派代表者による申し合わせでもし不法でないと
主張しても、同一会派の広報としても日をおかずに4件の領収書が存在すること自体不当
な支出である。
C
その他−電話代、ガソリン代(2,400,000円)が支払証明書で済まされてい
る点を昨年も指摘したが、他の会派と同じく改善されていない。
【ゆうあい21】
@ 視察旅費−7/22〜24鳥取市、出雲市、松江市に視察旅行(344,640円)
をしているが、会派の内4名(米村賢一、内藤誠、竹下寅生、原田範次)が同行する必要
はない。観光ルートでもあるので、目的が明白であれば2名で十分であり、観光とてもや
むをえない。同日5名(岡崎富雄、野澤幸治、清水克美、太田俊昭、三宅健司)は青森県
六ヶ所村、盛岡市、江刺市に出かけている(565,000円)が、核燃リサイクル事業と岡崎
市の関係が理解しがたく、その他の訪問地にしても目的が明白であれば2名で十分、観光
旅行や親睦旅行と疑われても仕方ない。
同じことが11/5〜7の4名(原田範次、太田俊昭、三宅健司、竹下寅生)で視察
している宇部市、三原市、倉敷市、神戸市の視察(363,880円)にも言える。
さらには2/17〜18に至っては17日に岡崎富雄、米村賢一、原田範次、太田俊
昭が今治市の都市再開発を視察した後、野澤幸治、清水克美、内藤誠、竹下寅生は東予市
で地域交流センターを視察した後、18日に高松市で合流して生涯学習センターを視察し
ている(517,520円)が、会派の全員がそろうのは親睦旅行をカモフラージュするための
旅行でしかない。
A 資料作成費
パソコン周辺機器であるCD−RWを35,490円で購入しているが、機器の性能上、会
派の政務調査のために必要という説明がつきにくく、不要なものである。
B その他
電話代、ガソリン代(2,700,000円)が支払証明書で済まされている点を昨年も指摘し
たが、他の会派と同じく改善されていない。さらには8月以降プロバイダー代(255,956
円)経費である。要領で私的経費は認めていない。
【公明党】
@ 研究研修費
公明党はパソコン研修のため、「ワード基礎」(16,000円)、「インターネット入門」
(17,000円)、「パ
ワーポイント講習」(16,000円)、「エクセル入門」(19,000円)、「パソコ
ン総合講習」(69,000円)、合計137,000円使っているが、昨年も指摘したとおり、パソコ
ンの講習で技術を習得しようとする行為は個人的な資質の向上を図る行為であり、政務調
査費で支払われるべきものではない私的な経費である。
A
調査旅費
愛知県防災ヘリコブター視察時の空港レストラン内での食事代(3,850円)は、どこに
いても誰でも昼食をするので、政務調査するから特に必要とする経費ではない。政務調査
費を使ってもよいと考えるのは特権意識でしかない。また、視察の途中で立ち寄った食堂
での飲食であり、会議を伴った飲食とはいえず、個人負担すべき経費である。
B 資料作成費
5月26日に購入したプリンター(CD−RWと合わせて46,989円)は会派にはすでに
用意されており、CD−RWはその使用目的が政務調査と関係するとは思われない。また
8月1日に更に1台プリンター(39,799円)を購入し、3月28日にもプリンター(US
Bハブと一緒で34,832円)を購入しているので、昨年1台購入、市から提供されたプリ
ンターを合わせて合計5台にもなり、昨年監査委員の判断では会派の室内で使うとしてい
たので、会派議員4人では使いきれない。私的所有を目的とした購入である。
8月14日にCD−RWドライブ(ラベラーセット)16,608円を、10月13日にはM
Oドライブ(22,365円)1台購入、12月24日には今年もスキャナー(インクと合わせ
て14,801円)を購入しているが、こちらも1台のパソコンに3台のスキャナーとなって
しまう。不当な支出になる。また、10月31日にデジカメ修理代金(7,875円)まで支
払っているが、昨年3台のデジカメを購入して個人所有ではないとしたが、その購入でさ
え12月以降であり保証期間内である。修理代を支払う必要がない。本当に会派のカメラ
であるなら、修理明細書を添付して明らかにすべきである。それができないカメラ修理は
個人のものに対するものであり、政務調査費で負担するのは不当な支出となる。更に11月
8日にはデジカメ(49,350円)1台を購入しているが、複数購入は私的所有を目的とし
ており、政務調査費で支出すべきでない私的経費である。
C 資料購入費
絵本「雨」、「いないいないばあ」、「あかんべえ」(2,940円)などは政務調査とは全く関
係なく、不当な支出である。
D その他
電話代、ガソリン代(1,200,000円)が支払証明書で済まされている点を指摘したが他の
会派同様改善されていない。さらには他の会派と歩調を合わせるように、8月以降プロバ
イダー代(126,436円)までも計上しているが、個人宅のインターネット接続であれば、
個人負担すべき経費である。
【日本共産党】
@ 公聴費
5月29日市議団ニュース(30,315円)、10月10日市議団ニュース(81,396円)を
支払った。広報費を条例上計上していない以上、会派の申し合わせがあったとしても条例
違反であることに変わりない。違法支出である。
A 資料作成費
12/12デジカメ(41,647円)、12/20デジカメ用バッテリー(5,229円)
を購入しているが、昨年4月25日に購入したデジカメは使えないというのか。個人で持
つなら、個人負担すべきである。2月18日FAX購入(32,228円)しているが、岡崎市
は各市議会議員宅のFAXを日立キャピタルから(1年につき消費税抜きで1台228,,900
円)で借り上げている。どこで必要なのか。
B 資料購入費
商工新聞代(2部−9,600円)、うた新代(2部−14,760円)、雑誌「議会と自治体」
(3部−57,887円)は政務調査費が会派ごとの補助金であることを考えれば、会派で1部
購読すれば足ります。その余の複数部数(50,772円)を購入することは問題である。
【民主クラブ】
@ 調査旅費
2/11-13日屋久島や鹿児島市を中根薫氏が視察(118,900円)しているが、その内容が岡
崎市の行政に生かされる内容ではない。また、3/26-27に2名で松山へ視察に出かけて
いる(128,440円)が、アイススケートリンクを廃止する方針を出した岡崎市の将来計画か
らはノンアイススケートリンクの視察は無意味ではないか。不要な視察である。
A 資料作成費 2/5購入のプリンター(45,840円)は、会派に支給された1台、そして昨年購入した
2台などの在庫を考えると2人会派である民主クラブでは不要なものだ。個人の購入分を
政務調査費で支払うのは不当である。
要領で私的経費は認めていない。3/1購入のデジカメ(50,190円)、3/30デジカメ(4
47,565円)も個人所有になるので、不適当である。
B 資料購入費
新編岡崎市史(112,100円)は会派で所有する必要がなく、図書館や議会図書館で管理
すれば済む。保有したいと考えるのは、個人的な興味からでしかない。個人が負担して購
入すべきものである。
C その他の経費
民主クラブも「その他の経費」で電話代、ガソリン代が支払証明書で済まされている点を
昨年指摘したが他の会派と同様改善されていない(600,000円)。
3.違法又は不当な公金の支出があると認められる書面
@岡崎市議会政務調査費の支出に関する市民監査報告書
A 平成14年度岡崎市議会政務調査費収支報告書(省略)
B岡崎市議会政務調査費の交付に関する条例